弁護活動の内容 逮捕された理由 刑事手続き 刑事弁護の基礎知識 事件・逮捕後のよくある質問まとめ 罪名別 刑事訴訟法Q&A 事務所紹介

前科の不利益

戸籍、住民票、免許に刑事事件の前科があることは記載されるのでしょうか?

戸籍、住民票、住民基本台帳や免許証等に刑事事件の前科の有無が記載されることはありません。

お金を借りられなくなったり、ローンを組めなくなったりするのでしょうか?

そのような制限を受けることはありません。

受験や就職で不利になるのでしょうか?

学校や会社が刑事事件の前科の有無を調べる手段はありません。よって心配する必要はありません。

刑事事件で前科がついたことを他人に知られてしまうのでしょうか?

刑事事件の前科は本籍のある地方自治体の犯罪人名簿に登載されますが、公務員であっても自由に閲覧することはできないものです。なお、本人も見ることができません。他人が知り得るということは通常あり得ません。

刑事事件の前科がつくと海外旅行に行けなくなるのでしょうか?

それまで持っていたパスポートについてはそのまま使用できるようです。
しかし、旅券法19条1項2号、13条1項各号に該当すると、返納命令が出て、渡航を制限される可能性があります。旅券法で返納命令の可能性があるのは、禁錮以上の刑に処せられた者です。執行猶予中でも該当しますが、罰金刑であれば該当はしないようです。
また、パスポートの有効期限が切れて再度申請する場合には、制限があります。
パスポートの発給申請の際には「一般旅券発給申請書」を記入する必要がありますが、この中に「刑罰等関係欄」があります。この1~6の項目のいずれかに該当することになれば、パスポートを申請する際に、各都道府県の申請窓口に備え付けの「渡航事情説明書」と必要書類(起訴状の写しや判決謄本など)を提出する必要があります。
ただ、この場合も、該当するのは刑事事件において起訴されて判決前の場合と、執行猶予中の場合ですので罰金刑であれば該当しないようです。
刑事事件の執行猶予中であれば、刑罰のあることを申請書に記載し、必要書類を提出して外務省の判断を待つことになります。通常のパスポート申請から発行までよりは時間がかかり、1カ月以上かかるようです。
パスポート発行の許可が出た場合には、限定旅券が発行されるようです。
ただ、限定旅券が発行されても、日本国から出国することはできますが、渡航先の外国が入国を許可してくれるかどうかは、その外国によって対応が異なるようです。海外渡航や永住申請等の際に、犯罪経歴証明書の提出が必要となることもあります。相手国の法律によっては、査証(ビザ)の免除が受けられないことや、渡航や永住が認められないこともあります。旅行前に各国の大使館や入国管理官に問い合わせた方がよいでしょう。


渡航事情説明書の記入方法、その他、疑問については各都道府県の申請窓口にお尋ねください。

刑事事件で前科がつくことによって資格制限はありますか?

例えば公務員であれば、刑事事件で禁錮刑以上になった場合に公務員になることはできず、既に公務員である場合には失職します。
弁護士などの一部の国家資格についても、刑事事件で禁錮刑以上になった場合には失職します。
この場合は禁錮刑以上が要件となりますので、刑事事件で罰金刑であれば前科はつきますが失職することはありません。
ただし、執行猶予であっても失職しますので注意が必要です。

※欠格事由に該当して資格を剥奪され、失職した場合には、欠格事由に該当する期間が経過したとしても当然に復職できるものではありません。
※絶対的欠格事由については、執行猶予の場合と実刑の場合について記載しています。刑の時効の完成、恩赦による刑の執行の免除などについては、刑法34条の2及び各参照法令を参照ください。
※詳細についてはそれぞれの参照法令をご覧ください

犯罪をしてしまった場合に刑事事件の前科があると不利になるのでしょうか?

法律上の前科については一定期間で効力を失います(刑法34条の2)が、過去に刑事事件において有罪判決を受けたという歴史的事実はいつまでも残り、検察庁の記録はその人が死亡するまで保存されます(犯歴事務規定18条)。最高裁判例は、刑法34条の2により失効した刑の言渡しを量刑判断の資料とすることができる(最判昭和29年3月11日)としています。
法律上の前科としての制限がなくなった後でも、刑事事件において刑の言渡しを受けたという既往の事実は無くなることがないので、量刑に影響を及ぼし再犯者としての評価を受けます。初犯であるか、2回目以降かということは特に結果に差異を生じます。また、2回目以降について、回数を重ねるに従って徐々に重い判決となります。
ただし、10年以上前に刑事事件の前科がある場合については、その後真面目に生活をしていたのであれば、刑事事件の前科はそれほどマイナスに影響していない判決結果も散見されます。

ページトップへ