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逮捕の種類Q&A

逮捕の種類

刑事事件における通常逮捕に関しては、どのような場合に逮捕されることになるのでしょうか?

通常逮捕の条件として、①逮捕の理由と②逮捕の必要性があります。
①逮捕の理由については、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることが必要です。この相当な理由の有無は、証拠資料に裏付けられた客観的・合理的な嫌疑である必要があります。もっとも一定の軽い犯罪については、被疑者が住所不定か正当な理由なくして出頭に応じない場合に限ります。
また、②逮捕の必要性については、明らかに逮捕の必要がないと認める時を例外として却下するもので、そうでない限り、逮捕状の発付が認められているのが実状です。
逃亡や罪証隠滅の恐れの有無によって、逮捕の必要性は判断され、逮捕の必要性がない場合には逮捕状の発付は認められません。正当な理由がなく任意出頭に応じなかったことは、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると推認されてしまいます。

任意出頭を拒否した場合に、逮捕されてしまいますか?

結果的に逮捕の可能性を高めてしまう可能性はあります。
上述の通り、逮捕の要件として①理由と②必要性があり、正当な理由なく任意出頭に応じなかったことは、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると推認されてしまい、②逮捕の必要性が認められることがあります。

逮捕とはどの程度の疑いがあればされるのでしょうか?

逮捕状は一度発付されればずっと有効なのでしょうか?

刑事事件の逮捕状の有効期限は、原則として発付の日の翌日から7日間です。例外的に被疑者が逃走中等の事由があるときは、7日間を超えた有効期間を定めることができます。
この期間を過ぎると逮捕状は無効となります。たとえば逮捕状を取ってから遠方の被疑者のところに向かった場合に、逮捕状が使われるまでに時間がかかる場合もあります。
逮捕状の有効期限を見て、勾留の満期であると誤解している被疑者の方がいますが、最初の勾留の勾留期限は勾留請求の時点から10日ですので、逮捕状の有効期限とは当然にずれてきます。
逮捕状が不必要になったときは裁判官に返還します。

逮捕に対する異議申し立てはできますか?

できません。多くの刑事事件で逮捕がスタート地点になるので、自分が逮捕されつつあるということを認識できる被疑者は限られています。刑事事件における逮捕は不意打ち的にされることが多いので、逮捕に対して異議申し立てをしたいと思う被疑者は多いのでしょう。しかし、逮捕に対する異議申し立ては現行法上、認められていません。逮捕に対して異議がある場合には、勾留質問や勾留に関する裁判に対する異議申し立てにおいて主張することになっています。これは逮捕の期間も短いので、不服申し立てをしている間に逮捕期間が終わってしまうということも影響しているのでしょう。

逮捕されたときに逮捕状をあとから見せられたのですが、違法ではないのでしょうか?

逮捕状は逮捕するときに被疑者に対して示す必要がありますが、逮捕状を所持せず、急速を要する場合には、被疑事実の要旨と逮捕状が発せられていることを告げて逮捕することができます。これに対して捜索差押令状がない場合には、急を要する場合であっても捜索はかけられません。

緊急逮捕

緊急逮捕はどのようなときに認められるのですか?

捜査官は、死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができます(刑訴法210条)。

現行犯逮捕

ちかんをして周りにいた男性に現行犯で逮捕されましたが、そのとき抑えつけられた拍子にけがをしてしまいました。男性は傷害罪にならないのでしょうか?

現行犯逮捕は警察官だけではなく私人でもすることができます。
現行犯逮捕をする際に、現行犯人から抵抗を受けた時は、逮捕をする者が警察官であろうと私人であろうと、社会通念上、逮捕のために必要かつ相当な限度の実力を行使でき、その実力の行使が刑罰法規に触れることがあっても、正当行為として処罰されないとされています。問題はこの必要かつ相当な限度の実力行使であったかどうかで、その範囲内ならば男性に傷害罪は成立しないことになります。

現行犯で犯行を現認された被疑者が逃走した場合には、追いかけて行っても現行犯逮捕できなくなりますか?

刑事事件における現行犯逮捕には誤認逮捕がないと認められるだけの時間的場所的接着性が要求されますが、犯人と犯行現場を目撃した者が、その後一度も犯人を見失うことなく追跡を継続していた場合は、その追跡が数時間・数キロに及んでいても誤認逮捕の危険はなく、時間的場所的接着性が肯定できます。逆に、追跡者が犯人を人込みの中に見失った場合は、時間的場所的接着性が認められません。

【適法な現行犯逮捕とされた事案】
あわびの密漁犯人を現行犯逮捕するため約30分間漁船を追跡した者の依頼により約3時間にわたり同船の追跡を継続した行為(最判昭50.4.3)

【違法な現行犯逮捕とされた事案】
被害者からの通報を受けて現場にかけつけた警察官が、被害者から犯人の風体、特徴を聴取した上で巡回を開始し、犯行から約20分後、犯行現場から約20メートル離れた場所で、犯人の特徴と一致する被疑者を発見し、被疑者に対面させて間違いないということで逮捕した事案(京都地決昭44.11.5)

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