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公判の手続きQ&A

刑事事件における保釈とは何ですか?

保釈金を納付して、被告人を暫定的に釈放することです。

身元引受人の監督に服させるために、身元引受人との同居などの住居の制限、被害者や証人への接触禁止をはじめとする条件が付されることがあります。この条件に違反したり、逃亡や証拠隠滅などの取消し事由が発生したりした場合は、保釈が取り消され、保釈保証金も没収されます。
保釈保証金を納付させることで被告人に心理的負担を与え、出頭確保を担保します。保釈保証金は犯罪の性質や情状、証拠の証明力、被告人の性格、資産を考慮して、被告人の出頭確保を担保するために意味のある額が決められます。一般的には、150万円から200万円以上となっています。
保釈されている刑事事件の被告人が実刑判決を受けた場合は、判決の言い渡し後に傍聴席にいる検察庁の職員に連れて行かれます。

自白だけで有罪になりますか?

犯罪を構成する基本的事実、つまり誰かしらの犯人によって罪が犯されたということについて、自白しか証拠がない場合には有罪にできません。

刑事事件において自白は往々にして、強制や拷問、脅迫その他不当な干渉による恐怖と不安の下に、本人の真意と自由意思に反してなされる場合があるからです。自白は第三者の供述よりも過大評価される危険があるので、自白の偏重を避けることによって誤った判決を防止する必要があることも理由です。
ただし、故意があったかなかったか、被告人と犯人が同一人物であることについては、自白以外の証拠を常に要求すると事案によっては無理を強いることになるので、自白だけで有罪判定の証拠にできます。

刑事事件で執行猶予がつく条件はどのようなものでしょうか?

最終的に裁判官が宣告する刑が3年以下の懲役・禁固に対して、1年から5年の執行猶予を付すことが可能です。

刑事事件における執行猶予期間は3年が一般的で、余罪がたくさんあるなど再犯のおそれが大きいときや実刑か執行猶予かの判断が悩ましいときなどには、4年や5年といった長めの執行猶予期間が言い渡されるようです。1年の執行猶予期間が言い渡されるのはまれです。
検察官が求刑で3年を上回る刑を求めてきた場合は、実刑を求めているといわれます。しかし求刑が3年以上でも、最終的に裁判官が下す判決で3年以下であれば、執行猶予を付けることはできます。
刑事事件において執行猶予が付くための情状として、動機や犯罪結果、示談状況、被害者の落ち度、犯人の年齢、家族状況、犯罪歴の有無、反省度合いなどが考慮されます。

執行猶予付判決の場合は、刑期は求刑通りとなることが多いようです。

執行猶予期間中に罪を犯してしまいましたが、再度の執行猶予はありえますか?

ありえますが、例外的です。

刑事事件において刑を言い渡された時点で執行猶予中であった場合、再度の執行猶予を付される条件は、1年以下の懲役・禁固が言い渡されてかつ特に情状に斟酌すべきものがあるときです。前刑の執行猶予時に保護観察が付いていないことも必要です。この場合は、必ず保護観察が付されます。
特に情状により斟酌すべきものがあるときとは、2回目の犯行が軽い事案で、被告人が若くて更生の見込みがあり、実刑にすることで前刑の執行猶予の取消し分も含めて相当の期間を服役し更生に極めて不利益である場合など、例外的な場合に限られます。
ちなみに再度の執行猶予に関しては、執行有猶予中の被告人が新たな犯罪で実刑になった場合に、執行猶予の期間満了間近であるときは、弁護士により控訴をすることによって実刑の確定を遅らせ、そのことによって執行猶予の取り消しを逃れるという弁護戦術が取られることがあります。控訴審には約3カ月かかりますので、この間に執行猶予期間を満了させるということです。このことによって前刑の懲役を服役しなくて済むようになることもあります。
再度の施行猶予を付した場合に検察官に控訴をされると、控訴審で破棄されるのが一般的なようです。

求刑とは何ですか?

裁判において検察官が刑の種類や量について意見を陳述することです。

刑事事件の犯人の改善、更生、社会秩序の維持にいかなる刑罰が効果的であるかによって決まります。無期以上の求刑をするには高等検察庁の決裁が必要とのことです。
求刑は検察官の意見に過ぎず、裁判所を拘束しないので、求刑よりも重い刑を言い渡しても問題はありません。もっとも、大部分のケースで求刑は宣告刑の上限基準になっています。裁判官が言い渡す刑は機械的に求刑に8割をかけたものと信じていた被疑者がいましたが、量刑判断は精密に行われていますので、留置場に流布している噂にしかすぎません。もっとも統計的にみて裁判官が言い渡す刑が結果的に、求刑よりも約2割低いラインに集中しているという指摘は、大きく間違ってはいません。
検察官が求刑で3年を上回る刑を求めてきた場合は、実刑を求めているといわれます。実際に下った判決が求刑の半分以下になると、検察庁が控訴を検討する基準になるといわれます。実務上、刑期を求刑の半分より少し長くする代わりに未決拘留日数を多めに参入することも行われているようです。
なお言い渡される刑の月単位に関して奇数月はまれで、最小で2月刻みに刑期を増減する判決が通例です。

刑事事件における未決拘留日数の算入とは何ですか?

刑事事件における勾留は身体の拘束をされるという意味で懲役刑や禁固刑の執行に類似しているので、公平の原則上、一定の場合に本刑に算入することができます。この場合は算入された日数分はすでに刑期に服したことと同じ扱いになります。懲役刑の刑期が実質的に短くなるということです。逮捕されている期間は未決拘留には含みません。

刑事事件の実務では未決拘留期間の全部を算入することは認められていません。一定の計算方法により未決拘留期間の一部が算入されます。
一部算入の計算方法については、起訴前の勾留期間は算入せず、起訴後の拘留日数のうち第1回公判期日までの日数から30を、その後の各公判期日間の日数については10をそれぞれ引き、端数は10日単位に切り上げ、切り捨て、又は四捨五入するものです。

刑事裁判の流れはどのようになっていますか?

まず冒頭手続きです。
裁判長が被告人に対して氏名、年齢、職業、住所、本籍を確認します。次に検察官が起訴状の内容を読みます。これに対して、裁判官から黙秘権の告知がなされたのちに、被告人と弁護士に対して起訴状の内容に間違いがないかどうかの確認をします。
次に証拠調べです。
証人尋問や被告人質問もこの段階です。
さらに論告・求刑、弁論、結審です。
この段階で検察官から事件や量刑についての意見が述べられ、これに対して弁護士から意見を述べます。
最後に判決の宣告があります。

簡易公判手続きとはどのようなものですか?

刑事事件の被告人が罪を認める事件では、死刑または無期もしくは短期1年以上の自由刑にあたる事件を除き、裁判所は検察官、被告人、弁護人の意見を聞いて、簡易公判手続きに付すことができます。
簡易公判手続きの場合には、本来は採用できないまた聞きの証拠も事実認定に使えることになります。証拠調べの方法も、通常の刑事裁判ほど厳格ではなく、公判期日において適当と認められる方法で足りることになります。

即決裁判とはどのようなものでしょうか?

事案が簡明で争いがなく、軽い罪が問題になる事件において、検察官が被疑者の同意を得て起訴と同時に即決裁判の申し立てをした場合に、裁判所がなるべく早い段階で裁判期日を開き、被告人が罪を認めた場合に、その日のうちに判決を言い渡す手続きです。刑事事件の即決裁判で懲役または禁錮刑の言い渡しをする場合には、執行猶予を付けることになっています。

略式手続きとはどのようなものでしょうか?

簡易裁判所管轄の事件において、被疑者が同意した場合に、正式裁判を開かず100万円以下の罰金刑が下される手続きです。

自分は被告人ですが、結果がどうなってもかまわないので、裁判に出なくても許されますか?

刑事事件の被告人の公判廷への出頭は、被告人の権利であると同時に、原則として被告人が出頭しなければ公判は開廷できない(286条)ことから、公判への出頭は被告人の義務でもあります。

例外的に、被告人が法人の場合(283条)、被告人が意思無能力者の場合(28条)、軽微事件の場合(284条、285条)は、被告人が出頭しなくても開廷できます。

被告人が途中で退廷することは許されますか?

刑事事件の被告人の公判廷への出頭は義務ですので勝手に退廷することは許されません(288条1項)。
被告人が許可を得ずに退廷しようとするときは、裁判長は在廷させるために相当な処分をすることができます。相当な処分として、在廷命令による制止のほか、被告人が暴力を振るい又は逃亡を企てた場合には、その身体を拘束することも可能です。

被告人が許可なく退廷した場合であっても、被告人が在廷していない限り審理の続行、判決することはできませんか?

刑事事件の被告人が許可なく退廷した場合には、被告人が在廷しないまま審理・判決することができます。被告人には在廷の権利がありますが、裁判長の制止命令にもかかわらず、発言を続け、やかましく騒いで審理を妨害するような場合には、法廷警察権の発動として退廷命令が発せられます。この場合に、被告人を法廷外に連れ出すための実力行使が行われますが、目的の範囲内であれば許されます。

弁護士をつけずに裁判をすることはできますか?

刑事事件のうち必要的弁護事件については弁護士をつけずに裁判をすることはできません。
被告人が私選弁護人を選任しない場合には、国選弁護人が付くこととなります。
必要的弁護制度とは、一定の重大事件につき、被告人の意思に関係なく、弁護人の立ち会いなしでの開廷・審理を禁じる制度をいいます。被告人の防御の利益を擁護するとともに、公判審理の適正を期し、ひいては刑罰権の公正な行使を確保するための制度です。

自分の事件を他人に見られたくないので傍聴人を入れないで欲しいのですが認められますか?

認められません。
公開裁判は憲法で規定されています(憲法37条1項)。
司法権は、死刑によって合法的に人の生命を奪うことまで認められている強力な権力です。そのような国家権力が適正に行使されるためには、国民が権力の行使を監視できるシステムが不可欠であり、裁判の公開が義務付けられています。
刑事事件の被告人は、手錠と腰縄につながれた姿を傍聴人に見られることになるので、公開を望まないでしょうが、個人のプライバシーは公開裁判の憲法上の要請の前には後退します。

公開裁判の要請があることから、被告人が傍聴人に姿をさらすこととなるのは仕方がないにしても、一般私人や報道関係者によって写真撮影や録音されることもあるのですか?テレビで映像が流されることもあるのでしょうか?

ありません。
現在は写真撮影や録音までは認められていません。
テレビに映される法廷の風景は当事者が入廷する前の場面ですし、裁判中の様子が絵を描いてしか伝えられないのもそのためです。

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