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判決Q&A

刑事事件で起訴されてから判決までにどのくらいの時間がかかりますか?

通常の場合、1か月から2カ月くらいで刑事裁判が始まります。刑事裁判が通常は判決まで2回かかりますが、地方の裁判所の場合は1回で判決まで終わることもあります。刑事裁判の間隔は自白事件でも1、2週間ですので、否認事件などで刑事裁判が長くかかった場合は、それだけ時間もかかります。

在宅事件で実刑判決が出た場合にすぐに身体を拘束されますか?

在宅事件の場合、判決が確定するまでは身体を拘束されることはありません。判決が確定すると検察官からの執行のための呼び出しがあります。
保釈されている場合は、懲役の判決が出されると、その場で収監されることになります。
判決の確定とは、裁判が通常の不服申立てによっては争えなくなることをいいます。確定するのは、上訴を許さない裁判では告知とともに、上訴ができる裁判では上訴期間の徒過したときです。

罰金刑でも前科はつきますか?

罰金刑以上で前科がつきます。
前科には2つの意味があります。
1つ目の意味は、罰金以上の刑に処せられた場合は、前科調書に記載されます。これが日常用語でいうところの前科です。過去に有罪判決を受けたという歴史的事実はずっと残りますので、警察庁の管理する前科調書には本人が死亡するまで記録が残ります。前科の有無は量刑に影響し、同じ犯罪でも初犯に対する求刑よりも2回目以降に対する求刑は徐々に重くなります。
2つ目の意味は、法律上の前科です。例えば執行猶予判決を下された場合、執行猶予期間を無事に過ごせば懲役刑の言い渡しが効力を失う結果、前科はなくなります。刑務所に服役した場合でも、刑法の規定により刑期の満了から10年間、罰金以上の刑に処せられないで過ごせば、刑の言い渡しが効力を失い前科はなくなります。この結果、一定期間内に禁錮以上の刑に処せられたことなどを理由とする執行猶予の欠格事由や職業上の欠格事由としての前科にはこれ以降、当たらないことになります。

刑事事件で前科がつくと、他人に分かってしまうものなのでしょうか?

前科の有無が他人に分かることはありません。戸籍、住民票、住民基本台帳やパスポートに前科の有無が記載されることもありません。プライバシーの観点からは気にしなくても大丈夫です。
前科がつくと戸籍が置いてある地方自治体の犯罪人名簿に登載されるのですが、公務員であっても自由に閲覧することができないものなので、これをきっかけに前科がばれるというのも現実的ではないです。
海外駐在の際に、警視庁から無犯罪証明を取得することをビザ取得の要件とする国もありますが、それ以外で前科の有無を証明する機会というのはまずありません。
履歴書の賞罰の欄に積極的に自分の前科を書かなかったからといって、それが発覚して責任追及されることもありません。会社が前科の有無を調べる手段はありません。よって就職に関して心配する必要はありません。勤務先にばれる可能性も、裁判所から会社に連絡が行くことはありません。
子供の将来に対する影響を気にされる方もいますが、子供が親の前科によって将来の可能性を閉ざされることもありません。

刑事裁判で判決が下ると、報道発表されるということはありますか?

新聞記事を見ればわかるように、刑事事件記事のほとんどが逮捕原稿です。逮捕されたときに報道されなければ、100%とは言い切れませんが、その後に刑事事件の報道がなされる可能性は低くなります。報道される対象者は有名人や公務員、会社役員などで、一般の方の刑事事件が新聞記事になることはそうそうありません。もっとも、新聞各社によっても基準に誤差はあり、地方版であれば社会面よりも載りやすいなどの事情はあります。あとは発行日の紙面の混み具合によっても掲載されるかどうかが変わってきます。

自治体に保管されている犯罪人名簿とは何でしょうか?前科が記載されると聞いたのですが。

刑事事件で罰金以上の有罪判決が下されたのちに、本籍のある地方自治体に地方検察庁から既決犯罪通知書が送付され、犯罪人名簿が作成保管されます。この犯罪人名簿への記載は、刑の言い渡しが効力を失うと削除されます。自治体の職員で閲覧できる者も限定されているので、この犯罪人名簿から前科がばれてしまうのではないかと心配する必要はありません。
地方で役場に勤務している人間との関係が極めて密である場合は、前科がついていることが発覚することを恐れて判決前に本籍を移転させた方も過去にいましたが。

「前歴」、「補導歴」、「非行歴」の違いはなんですか?

「前歴」とは、犯罪歴を意味し、刑事事件で有罪判決を受けた場合はもちろん、捜査機関により被疑者として検挙(逮捕、書類送検、微罪処分)されたことをいいます。不起訴処分になった場合、前科にはなりませんが前歴にはなります。前歴があることによって、日本の法令上はいかなる制限を受けるものではありません。
「補導歴」とは、通常は犯罪以外で警察に補導された経歴を意味すると解されています。
「非行歴」とは、通常は非行少年として検挙又は補導された経歴を意味します。非行少年は、少年法上の審判の対象になる少年のことです。なお、非行歴については、前歴として取り扱われます。

執行猶予はどのような場合につくのですか?

刑事事件における執行猶予には、①初度の執行猶予と②再度の執行猶予の2種類があります。以下がそれぞれの要件です。
①初度の執行猶予
(1)前に禁錮以上の刑がない。または執行終了後5年内に禁錮以上の刑がない。
(2)今回の宣告刑が3年以下
②再度の執行猶予
(1)執行猶予中
(2)今回の宣告刑が1年以下
(3)情状に特に斟酌すべきものがある
(4)前回の執行猶予の際に保護観察に付されていない
以上が満たされることが要件となります。
執行猶予の効果は、1年以上5年以下の範囲で執行を猶予できることと、保護観察できる(再度の執行猶予の場合は必ず保護観察が付きます)ことです。

執行猶予が取り消される場合とはどのような場合ですか?

刑事事件における執行猶予は、あらかじめ一定の条件がある場合には取消権を行使するという留保の上で行うものですので、条件違反の場合には取り消されます。
取消事由には、①必要的取消事由と②任意的取消事由とがあります。
①必要的取消事由(刑法26条)
以下の事由が生じた場合には必ず執行猶予が取消されます。
(ア)執行猶予期間中にさらに罪を犯し、禁錮以上の実刑に処せられたとき(1号)
(イ)執行猶予の言渡し前に犯した罪につき、禁錮以上の実刑に処せられたとき(2号)
(ウ)猶予の言渡し前に他の罪について実刑に処せられたことが発覚したとき(3号)
②任意的取消事由(26条の2)
以下の事由が生じた場合には執行猶予を取消すことができます。
(ア)執行猶予期間中に、さらに罪を犯し罰金刑に処せられたとき(1号)
(イ)保護観察に付されている者(25条の2の者および25条1項の者の一部)が遵守事項を遵守せず情状が重いとき。ただし、仮解除中の場合を除く(2号)
(ウ)猶予の言渡し前に他の罪につき禁錮以上の刑に処せられ、執行猶予に付されていることが発覚したとき(3号)

執行猶予の期間が経過するとどうなるのでしょうか?

刑法27条によると、「刑の執行猶予の言渡しを取消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。」とされています。
「刑の言渡しの効力を失う」とは、言渡しに基づく法的効果が将来に向かって消滅するという意味です。これによって、執行猶予の要件となる、「前に禁錮以上の刑に処せられた事がない者」などには該当することになります。
ただし、刑事事件について確定判決を受けたという事実自体が消滅するわけではありません。刑の言渡しが執行しても、言渡しを受けたという事実そのものをその後の犯罪の量刑資料に使うことは許されています。また、刑の言渡しによっていったん失った資格が執行猶予期間の経過によって当然に回復するものでもありません。

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