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上訴(控訴、上告、抗告)Q&A

上訴、控訴、上告、抗告は何が異なるのでしょうか?

刑事事件における上訴とは、未確定の裁判に対して、上級裁判所に是正を求める不服申立てのことをいい、控訴、上告、抗告とはそれぞれ上訴の中の個別の制度です。

控訴とは、判決に対する高等裁判所への不服申立てです。
上告とは、判決に対する最高裁判所への不服申し立てです。
抗告とは、決定・命令に対する高等裁判所(一般抗告)あるいは、最高裁判所(特別抗告)への不服申し立てです。

控訴審のための弁護人を付けていない場合に控訴することはできますか?

弁護人がいない場合でも、被告人自身で控訴することが可能です。

控訴をすることで1審よりも軽い判決が出る見込みはどのくらいあるのでしょうか?

被害者がいる犯罪で、1審では示談がまだできていなかった場合などは、示談を成立させることによって刑を軽くできる可能性があります。しかし、被害者がいない犯罪で事情変更が見込めない場合には、控訴してもなかなか刑を軽くすることは難しいのが実情です。1審の結果を覆すことができれば、控訴のために要した未決拘留日数は全て算入されます(その分、懲役・禁錮の期間が短くなります)ので、少しでも結果を変えることができれば、控訴をした意味はあるでしょう。

せっかく第1審において保釈されていたのに、実刑判決が出されたために判決言渡直後に法廷から連れ去られ、そのまま収容されてしまいました。もう1度保釈してもらうことはできますか?

弁護士によって再保釈を請求することが可能です。
ただし、権利保釈の規定が適用されず裁量保釈のみとなります。
請求するにあたって弁護士としては、逃亡のおそれのないことを中心に、なぜ保釈を求める必要があるのか具体的に説明する必要があります。保釈が許可される場合には、通常保釈保証金の追加納付を求められます。
仮に再度保釈をした後に実刑判決が維持された場合でも、控訴審の判決言い渡しの場で即時には収監されない扱いになっています。控訴審では被告人本人の出頭義務が無いために、必ずしもその場で収監できるとは限らないからです。

第1審において国選弁護人を付けていた場合、自動的に控訴審の弁護人もやってもらえるのですか?

1審の国選弁護人と控訴審の国選弁護人とは異なるので、必ずしも同じ弁護士が担当するとは限りません。被告人の希望があれば、同じ弁護士が担当できるようにする扱いもあるようです。

どのような事件でも、第1審に不満があれば、控訴できますか?

いいえ、以下の控訴事由がある場合に限られます。
384条 控訴の申立は、第377条乃至第382条及び前条に規定する事由があることを理由とするときに限り、これをすることができる。

(1)訴訟手続の法令違反
377条の事由(絶対的控訴理由)
①法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと(1号)
②法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと(2号)
③審判の公開に関する規定に違反したこと(3号)
378条の事由(絶対的控訴理由)
①不法に管轄または管轄違いを認めたこと(1号)
②不法に、公訴を受理し、またはこれを棄却したこと(2号)
③審判の請求を受けた事件について判決をせず、または審判の請求を受けない事件について判決をしたこと(3号)
④判決に理由を付せず、または理由に食い違いがあること(4号)
379条の事由(相対的控訴理由)
訴訟手続に法令の違反があり、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであること。
(2)法令適用の誤り …法令の適用に誤りがあって、その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかであること(380条)
(4)量刑不当 …刑の量定が不当であること(381条)
(5)事実誤認 …事実に誤認があって、その誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであること(382条)
(6)判決後の事情の変更
①再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること(383条1号)
②判決があった後に刑の廃止もしくは変更または大赦があったこと(同2号)

控訴はいつでもできるのですか?

第1審の判決から14日間しか控訴することはできません(358条、373条)。
控訴提起期間は、裁判が告知された日から進行しますが、初日は算入しません(358条、55条1項)。
期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、1月2日、1月3日又は12月29日から12月31日までの日に当たるときは、これを期間に算入しません(55条3項)。

控訴した場合に、第1審よりも重い刑になってしまうことはありますか?

検察官が控訴しない限りありません。
不利益変更禁止の原則といい、被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできません(402条)。
これは、被告人が不利益な結果をおそれて控訴権の行使を差し控えることのないように、被告人の控訴権の行使を保障したものです。

1審より重い刑にならないのならば、控訴することによって不利益を被ることはないのですね?

刑事事件において控訴棄却判決の言渡しがなされた場合には、控訴審裁判所での審理期間の未決勾留日数の一部のみが刑期に算入されます。仮に第1審で確定していれば、それまでの期間すべてが懲役・禁錮の日数に該当していたにも拘わらず、控訴することによって、一部しか算入されないとなれば、算入されなかった期間の分だけ社会復帰が遅れることになります。
実際の控訴は量刑不当と事実誤認がほとんどです。量刑不当であると認められる場合には、1審判決が重すぎるという場合と、1審判決後の事情の変化のある場合の2通りが考えられます。しかし、実際には、量刑不当による被告人・弁護人の控訴はほとんど棄却される傾向にあります。

第1審で罰金刑になったのですが、罰金を支払うのは嫌なので、執行猶予付きの懲役刑にしてもらいたいと思います。上訴できますか?

できません。
刑事事件における被告人の上訴は、自己に不利益な原判決を是正し、利益となる裁判を求めるためのものですので、自己に不利益な上訴をすることは許されません。
罰金刑を執行猶予付き判決にするのは不利益変更にあたりますので、上訴することはできません。

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