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横領Q&A

刑事事件において横領罪で、少しでも刑罰を軽くするためのポイントはなんでしょうか?

刑事事件のうち財産犯一般に言えることですが、被害者に被害弁償をして、許してもらうことが重要です。

刑事事件において横領した金額すべてを返済することができない場合、全額でなければ支払っても意味がないのでしょうか?

全額返済できない場合でも、謝意を表し、現状で可能な返済を行い、残額は誠意を持って返済のための具体案を示す等の必要があるでしょう。

ただし、減額案を提示することについては、こちらの誠意を汲んで相手が譲歩してくれればよいですが、ねぎっているという悪意を感じて相手が怒ってしまう場合もあります。誠心誠意対応することが重要です。

会社のお金を横領してしまい、返済しようと考えています。会社は、損害額を計算してから請求すると言っていますが、取った分のお金を返すだけでよいのではないでしょうか?

実際に横領した金額より高額の返済が必要になる可能性が大きいです。
会社はあなたにお金を横領されたことによって、そのお金を支払う予定通りに払うことができず大きな損失を出すとともに信頼を失ったかもしれません。補填するために社員を急いで銀行に走らせたかもしれません。その分の時間もすなわち損害になります。
また、損害を調査するための調査費用も生じます。
横領した金額の分がそのまま損失になるのではなく、会社という組織である以上あなたの横領行為によってあらゆるところに損害が派生する可能性があります。
被害額が多大になることが予定されているために刑事事件における業務上横領は単純横領よりも重い罪となっているのはそのためです。

会社のお金を横領してしまいました。刑事事件において不起訴となることはあり得ますか?

少額の横領の場合には、会社が被害届を出さない場合もあります。
また、前科の有無、犯行態様、被害者数、被害金額等により大きく異なりますが、一般的には、被害金額を全額被害弁償して示談をし、被害者から宥恕を取り付けた場合には不起訴となる可能性も十分にあります。
横領には罰金刑がないので、軽微なものは不起訴処分となります。

不動産を横領した場合も刑事事件における横領罪が成立しますか?

横領罪が成立します。横領罪の客体である財物には不動産も含まれます。

刑事事件における横領罪は自己の占有する他人の物を横領する犯罪です。

友人からお金を預かってほしいと言われて銀行に預金していたものを、自分で引き下ろして使ってしまいました。刑事事件における横領罪が成立しますか?

横領罪が成立します。刑事事件における横領罪は自己の占有する他人の者を横領する犯罪ですが、占有には実際に手に持っているばかりではなく、法律上、支配力を有する状態も含むと考えられます。
現金を引き出さない場合でも、振替等により処分した場合も刑事事件における横領罪になります。

送金銀行から誤って自己の預金口座に入金されていました。これを自分の口座から現金自動支払機から払い戻しを受けました。刑事事件における横領罪が成立しますか?

窃盗罪が成立します。
刑事事件で横領罪が成立するためにはまず、自己の占有にあることが要件ですが、銀行の現金自動支払機内の現金については、銀行(現実には、当該銀行の支店長)が管理ないしは占有するものと考えられています。
銀行の現金に対する占有を侵害したものとして、刑事事件における横領ではなく窃盗罪が成立します。

宝飾店で店員にガラスケースから時計を出してもらい、店員の隙を見て持ち去る行為は刑事事件における横領罪が成立しますか?

窃盗罪が成立します。
時計を手渡して客に見せることを承諾していたとしても、占有はいまだ宝飾店にあります。客がこれを領得するときは刑事事件における横領罪ではなく、窃盗罪が成立します。

旅館の宿泊客が、刑事事件における旅館が提供する浴衣、帯、下駄を着用して外出し、そのまま持ち去る行為は刑事事件における横領罪が成立しますか?

窃盗罪が成立します。
宿泊客には一時的に使用を許され委託されただけであって、いまだ占有は旅館にあります。

コンビニエンスストアのアルバイト店員がレジ内のお金をとってしまいました。刑事事件における横領罪が成立しますか?

通常横領罪は成立しません。
雇用関係等で上下主従の関係にある者の間で事実上物を共同支配しているような場合、一般的には占有は上位者にあります。
コンビニエンスストアのアルバイト店員であれば、通常、店の金銭の処分権は任されておらず、自分で、レジを開け閉めして客と金銭のやりとりをしていたとしても、自己の占有にあるとは認められません。
店の金銭はその店の店長の管理・占有にあるものであって、アルバイト店員には窃盗罪が成立します。

【その他の例】
倉庫係が倉庫内の品物を持ち出した場合、窃盗罪が成立(大判昭21.11.26)
車掌が乗車中の貨物列車に積載輸送中の貨物を領得した場合、窃盗罪が成立(最判昭23.7.27)
下位者である信用金庫の支店長が業務上必要がないのにホストコンピュータ内の顧客情報をプリントアウトした帳票について、上位者である理事長に占有があるとして窃盗罪成立(東京地判平元.9.12.)

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