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犯人蔵匿および証拠隠滅の罪Q&A

指名手配中の犯人を匿いましたが、裁判で真犯人でないことが判明した場合には、犯人蔵匿罪にはなりませんか?刑事事件における犯人蔵匿罪は「罪を犯した者」が対象なので、真犯人でなければ該当しないのではないでしょうか?

犯人蔵匿罪が成立します。
刑事事件の判例によると、「罪を犯した者」には、真犯人だけでなく、犯罪の嫌疑を受けて、捜査または訴追されている者も含まれます。(最判昭24.8.9)
指名手配中の犯人を匿った場合には、結果論として犯人でなかった場合であっても、刑事事件の捜査の妨害をしたことには変わりありません。

捜査開始前に犯人と思われる者を匿いましたが、捜査開始前であれば罪にならないですか?

犯人蔵匿罪が成立することがあります。
刑事事件の捜査開始前であっても、真に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、匿った場合であれば犯人蔵匿罪が成立します。(最判昭28.10.2)

犯人蔵匿罪の行為は、蔵匿し、または隠避させることである

刑事事件における「蔵匿」「隠避」とはどのような行為ですか?

刑事事件における「蔵匿」とは、捜査機関等からの発見・逮捕を免れる場所を提供することです。刑事事件における「隠避」とは、蔵匿以外の方法で捜査機関からの発見・逮捕を免れさせる一切の行為です。

真犯人が逮捕前に、身代り犯人を立てることは刑事事件における「隠避」になりますか?

隠避になります。(大判大4.8.24)

犯人を変装させた場合刑事事件における「隠避」になりますか?

隠避になります。

真犯人が既に逮捕された後に身代り犯人として出頭することは刑事事件における「隠避」になりますか?

隠避になります。刑事事件の犯人の逮捕後であっても成立します。

身代り犯人として出頭した被告人から依頼を受けた弁護人が、被告人からどうしても真犯人を逃がしたいとの要望を受け、自首しようとしていた真犯人を思いとどまらせ、身代り犯人の事件の判決を受けることは「隠避」になりますか?

隠避になります。(大判昭5.2.7)

牧師が、教会に助けを求めてきた犯人から罪の告白を受け、かくまった場合は罪になりますか?

刑事事件の判例によると、牧会活動はその行為の性質上これをなす者と受ける者の心対心の問題であって、これをなす者が心底からそれを信じて行うのでなければ魂の救済に役立たないのであり、これを他人(国家も含む)に任せるということはありえないとされます。また、牧師として一旦約束した秘密を神以外に漏らしてはならない場合もあるであろうから、牧師が被告人の所在を人に告げなかったことについても責めることはできないとされました。宗教行為の自由を明らかに逸脱したとみられるものでない限りにおいては罪になりません。

証拠隠滅罪(104条)
客体となる証拠とは、他人の刑事事件に関する証拠です

自己の刑事事件の証拠を隠滅した場合に罪になりますか?

なりません。自己が犯してしまった事件の証拠を隠滅してしまう行為は、ある程度仕方のないものであるとして処罰の対象から除外されています。

自己の刑事事件の証拠が、同時に共犯者の刑事事件の証拠でもある場合、これを隠滅した場合には刑事事件における証拠隠滅罪は成立しますか?

誰のためにする意思で隠滅行為をしたかによって異なります。
(1)専ら他の共犯者のために隠滅した場合    →証拠隠滅罪が成立します
(2)他の共犯者および自己のために隠滅した場合 →証拠隠滅罪が成立しません
(3)専ら自己のために隠滅した場合       →証拠隠滅罪が成立しません

対象となるのは「刑事」事件の証拠に限り、民事事件や懲戒事件などの証拠は含みません

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