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横領罪

横領罪

(刑法第252条で5年以下の懲役)

横領罪の総論

店員の商品の横流しのようなケースでは、一見すると刑事事件として横領罪が成立するのではないかと考えられるケースでも、横領にならずに窃盗になる場合が多いです。これは刑法上、横領罪が成立するために必要な占有という概念が、一般に考えられているよりも狭い範囲でしか認められないからです。

窃盗罪が被害者の占有(物を所持しているということ)を侵害する犯罪であるのに対し、刑事事件における横領罪が他人の物を占有している者がネコババするなどして犯す犯罪であるので、他人の物を占有していない場合は刑事事件として横領罪が成立しません。そして雇用関係などで上下の関係にある者の間で、下の立場の人間が事実上は物を管理している場合でも、刑法上は一般的に上の立場の人間が物を占有しているとみられ、下の人間は上の立場の人間の占有をサポートしているにすぎないと考えられます。ある程度強い処分権限を与えられていないと、下の立場の人間が物を占有しているとは考えられません。刑事事件の裁判例では、信用金庫の支店長でも顧客情報の帳簿について占有がないとされ、帳簿の占有は理事長にあるとされて、支店長に窃盗罪を認めた場合があります。結局、下の立場の人間には占有がなかなか認められないので横領罪は成立せず、上の立場の人間の占有を犯して物を窃取したとされるので、刑事事件として窃盗罪が成立する場合が多いのです。

横領罪の類型

集金横領/不動産の二重売買/業務上横領/着服横領/委託金の横領/譲渡担保の横領/所有権留保特約付売買の詐欺/手形・小切手詐欺/請負契約の詐欺/不法原因給付の横領

横領罪の近年の傾向


横領罪は安定して高い検挙率を保っています。

横領罪の量刑に影響を及ぼす事情

横領罪のような刑事事件では示談ができているかは大きく影響します(財産犯では一般に妥当する考え方です。)。

横領罪の取調べの例

横領罪は財物の占有者が犯す罪ですので、会社での自分の役職・地位・具体的な職務内容などが詳細に取調べられます。
さらに、会社における金銭管理の実態や被害額の確定のために、会社に対する捜索・押収がなされたり、会社関係者への取調べがなされることもあり得ます。

横領罪の示談相場

お金に絡む刑事事件の場合は、身体犯や性犯罪のような刑事事件に比べて比較的示談しやすい方であると言われています。被害者は、加害者に対する制裁的な意思よりも、損を取り戻したいという意思を持っている場合が多いからです。
しかし、刑事事件における横領罪は占有権限のある者が犯す罪ですので、被害者と加害者は通常十分な面識があります。
刑事事件化しているということは、すでに関係がこじれていることが考えられるため、弁護士に依頼した段階で既に示談を断られていたり、被害者が厳しい処罰を望んでいる場合であることも多々あります。

示談出来る場合であっても、経済事犯は、一般的に被害額も示談額も高額となることが多いようです。被害額によって示談額も異なりますが、被害額にある程度の上乗せが要求されることはやむを得ないでしょう。

弁護士による横領罪の弁護方針

被害弁償をするのが一番なのですが、たとえば横領の刑事事件の被害者が告訴状や被害届を出すなかで刑事事件化に至ったケースでは、被害者と被疑者の関係がこじれて被疑者からの被害弁償の申し出を被害者がすでに断っている場合もあります。被害弁償がなされていれば告訴もされなかった場合も多く、被害弁償がなされなかったからこそ告訴がされ起訴がされている場合が多いようです。その場合は弁護士としては示談できるような事情の変更がないかどうかを検討します。

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