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傷害罪

傷害罪

(刑法第204条で15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

傷害罪の総論

けがをさせるということが傷害に当たるのはもちろんなのですが、刑法上の「傷害」は一般用語のけがよりも少しだけ広い概念です。刑法上の傷害とは人の生理的機能を害することで、めまいを生じさせたり、下痢をさせたり、一定程度以上のPTSDや神経症に陥らせることも傷害です。ちなみに髪の毛を切ることは傷害ではなく暴行に当たります。

刑事事件を傷害罪として立件するためには、「加療約○日を要する○の傷害を負わせた」という記載を起訴状にするために、被害者の診断書が必要です。診断書を取りに行ったのが刑事事件直後でない場合に、すぐに診断書を取りに行かなかった理由についての説明が刑事事件の被害者に求められます。診断書の書き方も、医者に診てもらったのが刑事事件直後でない場合には「全治○日」という記載を医者がしにくくなるようです。

もともと被疑者と刑事事件の被害者とが知り合いの場合、何らかのトラブルがあって、本当にあったことがそのまま話されていないケースもありますので、捜査機関としてはより慎重に話を聞く傾向があります。

傷害罪の類型

電車内での喧嘩/路上での喧嘩/タクシーでのトラブル/DV/不倫のもつれによる暴力沙汰/近所トラブル(騒音含む)/教師による生徒への体罰

傷害罪の近年の傾向


平成21年度の警察庁の統計によると、
刑事事件のうち傷害事件の発生場所別認知件数は、道路上が31.9%と最も多く、次いで住宅が20.7%、サービス営業店13.1%、駐車(輪)場8.1%、公共交通機関等4.0%となっています。

傷害罪の量刑に影響を及ぼす事情

刑事事件において示談ができているか、暴行の態様が悪質かどうか、被害者に落ち度があるかなどです。

傷害罪の取り調べの例

刑事事件において暴行の態様が具体的に聞かれます。犯行に至る経緯や動機で被害者の落ち度も聞かれます。

被害者の傷害結果が被疑者の暴行によってできたものであることを裏付けるために、たとえば、「自分が殴った後に被害者の唇から血が出ていたので、自分の暴行によるけがであることが間違いありません。」などの供述がとられることがあります。

酒に酔っている時の暴行では、刑事事件における責任能力を争われないように、日ごろの酒量、犯行当時の飲酒量(種類、量、時間、食事の有無など)、泥酔の程度を聞かれ、「酔ってはいましたが、記憶ははっきりとあります」などという供述が取られ、弁解が封じられることもあります。

一般的に酒に酔っているからといって、刑事事件における責任能力に影響を与えるということにはなりません。酩酊の状態は単純酩酊と異常酩酊に分けられ、異常酩酊はさらに複雑酩酊と病的酩酊に分けられます。複雑酩酊は単純酩酊と質的差がなく、酩酊中は怒りやすく刺激的になり、興奮の程度が長く持続して乱暴な行動をするとのことです。病的酩酊は少ししかお酒を飲んでいない場合でも強い意識障害に陥り、激しい精神運動興奮とともに、不安、恐怖、激怒、凶暴性、幻覚、妄想などを覚え、攻撃的な行動をとるとのことです。単純酩酊は完全責任能力として、複雑酩酊は限定責任能力として、病的酩酊は責任無能力として扱われます。刑事事件の裁判例では、飲酒と睡眠薬の服用により、混合酩酊状態により限定責任能力状態にあったと認定されたケースがあります。

傷害罪の示談相場

被害者の怪我の程度によって示談金額が異なります。治療費の支払のみを求められる場合もありますし、治療費とは別に示談金を請求される場合もあります。
示談金額は10万円〜50万円程度のことが多いようです。

弁護士による傷害罪の弁護方針

示談が重要です。

傷害の刑事事件の被害者と被疑者が事件現場で初めて会った場合は、否認事件では目撃者の確保が問題になります。被害者であれ被疑者であれ、重要な点で供述に不自然な点があれば供述の信用性が一気に揺らぎますので、弁護士としては関係者の供述内容の吟味が重要です。

喧嘩の事例であっても、相手に先に被害届を出されてしまうと一方的に加害者とされてしまうようです。喧嘩両成敗とはならないことが現実には多いようです。
こちらも怪我をしているのであれば、早期に診断書を取り、弁護士とともに被害届を出すようにします。どちらからも被害届が出されていれば示談交渉においても対等の立場で話をすることができます。

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