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具体的な調書の書かれ方の例

刑事事件における取り調べについて 調書の署名押印にあたっての注意

以下は具体的な調書の書かれ方の例です。

1. 具体的な根拠を明示した説明調で書かれることがあります。

「『○をやれ』と言われた時の意味が、○○することであるということは、事前に○○から『○』という言葉を使ってやり方を聞いていたので理解していました。」、「女の子が13歳未満ということは、ランドセルを背負っていたことと、通っている学校を聞いて『○○小学校』と聞いていたので、知っていました。」というように、たとえば刑事事件についての故意(主観的に犯罪であると認識しながらやっている心理状態)を具体的に認定しながら作成されることがあります。
またたとえば目撃証言で「午後7時ころだと思います。」という発言については、その直前に時計を見たから、いつも通りに息子を迎えに行く時だったから、テレビ番組が始まる時だったからなどの根拠を示しながら信憑性を高めようと工夫がなされます。
なぜそのように言えるのかを、検証しながら書かれるのです。

2. 問答形式が使われます。

捜査官が強調したい箇所は捜査官と刑事事件の被疑者との問答形式が使われることがあります。
理由の1つは、生の言葉をそのまま残して後に撤回させないためともいわれます。
たとえば供述内容の不合理性や不自然性、客観証拠との矛盾、従来の弁解からの変遷について、矛盾点をついてあえて刑事事件の被疑者に支離滅裂な供述をさせる狙いが挙げられるでしょう。この場合には後に新たな弁解を出しにくくさせるためであるようです。

3. 客観証拠と整合した供述調書を作成することが最終目標になります。

刑事事件について客観的な証拠関係に合致した供述を集めようと、捜査官が考えることがあります。たとえば死体の傷口と整合する凶器の使用方法の供述(刃渡りや刺し方、角度など)をとろうと誘導する場合などです。これが誘導による供述につながる可能性もあります。
もっとも刑事事件発生からかなりの時間が経過しているにもかかわらず、あまりにも詳細な調書が出来上がっているのは逆に不自然で、弁護士としては捜査官の誘導がないかどうかを検討する必要があります。刑事事件の内容につきほかのことに関する記憶があいまいなのにもかかわらず特定の事柄については極めて詳細に語られていたり、幼児などが年齢に似つかわしくないほど詳細に刑事事件について語っていたりすることは、捜査官の作為を推認させます。共犯者の供述と修辞法や言い回しが全く同じ場合は、弁護士として捜査官が誘導して調書に署名させたのではないかと疑ってみるべきです。

4. 刑事事件の被疑者ならば当然に経験し記憶しているはずのことは必ず聞かれます。

刑事事件犯行後の凶器の処分方法などです。

5. 供述内容の変遷については説明を求めてきます。

刑事事件についての供述が否認から自白に転じた場合には、必ず、なぜ自白するようになったかを聞かれます。反省したからか、隠しとおせないと観念したからか、家族が悲しむと思ったからかなどの理由を聞かれ、変遷過程において圧力がかかっていないという証拠作り、アリバイ作りをします。